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一人じゃないからこそできること

「販路開拓」というテーマでの取り組みは、今年が初めてじゃない。昨年は、リクルートが首都圏の販路を開拓して農家さんに紹介し、出荷してもらうという形を取っていた。

この首都圏の販路開拓を一人で担当することになった僕にとっては初めての営業活動で、暗中模索しつつ、七転び八起きを繰り返しながらも、いくつかの小売店を開拓することができ、しかも市場価格より高単価でみかんのサイズを問わず買い取ってくれるという好条件を引き出すこともできた。

ただ、市場を通さない出荷には農家さんが自分で行わなければならない作業が増えるという側面がある。小売店からの受発注の取りまとめ作業や、各小売店に出荷するための物流周りの取りまとめ、請求関連の手続きなど、これまでの農家さんでは発生しなかった業務が増える。小売店と直接つながる販路を開拓するためには、こういった業務負荷の増加を覚悟して継続していくという農家さんの強い意志が必要だということを学び、僕が販路を開拓して農家さんに紹介するだけでは、継続的な販路拡大の土壌が育たないと強く感じた。

そういった昨年の経験を活かし、農家さん自身が自分の力で営業活動を行い、自分の想いに合った販路を開拓していくことが、継続的な販路拡大の土壌を育てるためには大事なんじゃないかと思って、今年は販路開拓講座を実施したいと企画した。

講座を企画した当初は、講座の位置付けや目的、受講人数の設定をどうするのか、どんな講義内容にするのか等の検討が難航していたし、プロジェクトメンバーの中でもこの販路開拓講座の意義を疑問視する傾向があった。

単年の成果だけを考えるのであれば、リクルートが販路を開拓したほうが効率がいいのかもしれないし、自分で販路を開拓したいと思ってくれる農家さんがどのくらいいるのかも見込めず、僕の中にも迷いや不安があって、この講座の企画に100%の自信があったわけではなかった。

でも、とにかく一歩踏み出してみよう、そう決めて僕は一人、テキストの作成を始めた。しかし、昨年初めて営業を経験した僕が、販路開拓のためのテキストを作成することは非常に困難で、気持ちが塞ぎ込むほど悩んだし投げ出したくなる瞬間もあった。受講生が集まらないかもしれないという不安に胃が痛くなる日々も続いた。

そうして迎えた4月の講座初回。初めての講師役で緊張していた僕は、どういった講座なのか不安を感じながらも勇気をもって講座に参加してくれた農家さんに出会って、この農家さんたちのために絶対にこの講座を成功させようと心に誓った。

    

全5回の講義を試行錯誤を繰り返しながら講座を続けてきて、心配していた受講者数は最終的に22名まで増えたし、受講している農家さんたちでアグリフードEXPOに出展することまで出来た。

そして、今日、講義での学びを再確認し今後の計画を立てる振り返り会を実施したのだが、今日の振り返り会では4月よりもずっとたくましく感じる農家さんの笑顔に出会えた。

農家さんたちにとって、この講座に参加するということ自体がチャレンジだったと思うし、展示会に出展して自分で商談をするということは、想像したこともないほどの大きな挑戦だったはずだ。

僕にとってもこの半年間は大きなチャレンジだった。最初のころは何もかも一人でやらなければならない大変さで周りが見えない時もあったが、今はそういう自分が多くの人に支えられていたことがよくわかる。僕を信頼してくれる農家さんの存在が僕や講座を支えてくれていたし、プロジェクトメンバーもさまざまな形で僕を支えてくれた。そうやって支えてくれた人たちに背中を押されて、僕はこの販路開拓講座というチャレンジを続けることが出来たのだと思う。

自分一人でも何かにチャレンジすることはできる。だけど、背中を押してくれる存在がいれば、自分一人では挑めないような大きなチャレンジをすることが出来るのかもしれない。僕は、この半年でそういったことを学ぶことが出来た。この貴重な学びをくれたみんなに深く感謝している。

これから、農家さんは開拓した新しい販路へのサンプル出荷など、本格的に販路開拓講座での学びの成果が問われる時期が到来する。来年2月の総括会では、今日よりももっと輝く農家さんの笑顔に出会えるよう、今後も農家さんのサポートに努めていく。

この記事を書いたメンバー

佐々木 健介

みかん農家への営業力装着・
販路拡大支援担当

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