〈解説〉ふるさと納税の取り組み
地方で生まれ育っても、就職すると都会へ出ていく人が多いのが日本の現状です。過疎などによる税収の減少に悩む自治体は多く、この地方間格差是正を推進するため、ふるさと納税は寄付金税制の一つとして2008年度から始まりました。
有田市でも地域の産品を活かして有田市の魅力を全国に発信していくためふるさと納税制度を活用しています。
プロジェクトで支援に取り組むみかん産業は有田市の主要産業の一つで、2017年度は有田市で生産される高品質の有田みかんを全国に広めるため、ふるさと納税のみかん返礼品申込件数の拡大に取り組みました。
有田市でふるさと納税の返礼品として選定している有田みかんは、有田市が平成22年度に創設した原産地呼称管理制度で認定されたみかん農家(以下、認定農家)で栽培された有田市産のみかんの中でもトップクラスの品質を誇るみかんです。
そのため、みかん返礼品の申込件数を拡大するには、認定農家から提供してもらう高品質なみかんの量も増やす必要があり、プロジェクトが開始した2017年4月以降、需要(みかん返礼品の申込件数)と供給(認定農家から提供してもらう高品質なみかんの量)のモニタリングを徹底しました。
供給量を確保するため、有田市役所のプロジェクトメンバーが農家を一軒一軒回ってコミュニケーションを重ね、需要を拡大させるため、申込サイトの改善やWEB広告を活用するなどPRも試行錯誤を繰り返し、需要と供給の両面で取り組みを実施しました。その結果、2016年度比で251%の寄付申込件数拡大を達成できました。これは非常に大きな成果だと考えています。
しかし、次年度に向けた課題もあります。
ふるさと納税の申込は年末の12月に最も増加しますが、みかん返礼品に関しては非常に人気で申込件数が多かったことから、11月の半ばには在庫がない状態となり、年末を待たずに受付を終了せざるをえませんでした。需要に見合うだけの供給量を確保できなかった点は、次年度に向けた課題と言えます。
私たちは今年の成果で満足するのではなく、より多くの皆さんに「有田みかん」の美味しさを知っていただき、有田市を応援していただけるようみかん農家との共創体制を強化していきます。
この記事を書いたメンバー
斉藤 亜紀
プロジェクト事務局担当